- どうせ働くなら、年収は高いほうが良い
- 年収が上がれば、幸せになれるかな?
- 幸せになれるお金の使い方が知りたい!
この記事は、こういった方へ向け
- 年収と幸福度は比例する
- 幸せな人生とは?
- 幸福度を高めるお金の使い方
について解説します。
今回のテーマは、「年収と幸せ」。
ノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマン氏の研究をもとに、解説します。
✔要約:お金より時間が大切
年収800万を全力で目指す
プリンストン大学ダニエル・カーネマン名誉教授によると、年収800万までは給料に比例して幸せになる一方、それ以降は、年収が上がっても幸福度は変わらないそう。つまり、年収800万も1000万もさほど変わらない。それなら時間を犠牲にして稼ぐより、大切な人と過ごしたい
年収と幸福度は比例する

「年収は多ければ多いほうが良いに決まってる!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
お金を稼げば、
- 美味しいものをたくさん食べられたり
- ぜいたくな旅行に行けたり
- ネットフリックスなどのサブスクも楽しめたり
生活を豊かにできそうですよね。
ですが、ノーベル賞を受賞した、プリンストン大学のダニエル・カーネマン氏の研究で、年収と幸福度の意外な事実が分かりました。
この研究は、アメリカ人を対象にした調査。
この研究によると、年収が上がれば上がるほど、幸せになるという傾向が確認されました。
ただし、年収と幸福度が比例するのは、7万5000ドル(800万〜900万円)まで。
それ以上は、年収が上がっても、幸福度に変化はなかったんだとか。
つまり
- 年収800万円のサラリーマン
- 年収2億円の起業家
両者は同じくらい幸せを感じているということ。
もちろん、アメリカ人を対象にしたものなので、日本人も800万が基準になるかどうかは、この実験からはわかりません。
しかし、人は慣れる生き物。
年収が上がるにつれ、幸福度の伸びが鈍る傾向はあるのでしょう。
日本でも結果は変わらない
2019年、内閣府が発表したデータを見てみると、分かります。
1万人を対象にした調査で、世帯年収と主体的な満足度の変化を調べました。
つまり、「世帯年収が上がるにつれて、満足感は上がるのか?」という点を調べたんですね。
結果は以下のとおり。
1 | 「100万円未満」 | 5・01点 |
2 | 100万円〜300万円未満 | 5・20点 |
3 | 300万円〜500万円未満 | 5・68点 |
4 | 500万円〜700万円未満 | 5・91点 |
5 | 700万円〜1000万円未満 | 6・24点 |
6 | 1000万円〜2000万円未満 | 6・52点 |
7 | 2000万円〜3000万円未満 | 6・84点 |
8 | 3000万円〜5000万円未満 | 6・60点 |
9 | 5000万円〜1億円未満 | 6・50点 |
10 | 1億万円以上 | 6・03点 |
2→3へ年収が上がった場合、満足感は0・48ポイント上がっています。
対して、3→4の場合は0・23ポイントの上昇にとどまっています。
日本の場合、500万円を超えたあたりから、幸福度の伸びが鈍化していく傾向があるようです。
この結果を見ても、年収が上がれば、幸せになり続けるわけではない事がわかりますね。
幸せな人生とは?

この結果を聞いて「お金なんてあればあるほど幸せを感じそうだけど、そうじゃないなんて不思議だ」
と思った方もいるかも知れません。
ではなぜ、年収が上がっても、幸福度は上昇し続けないのでしょうか?
それは、幸せの基準は複雑だから。
お金の他にも
- 家族や恋人との良好な関係
- 仕事へのモチベーション
- 趣味
など、幸せを感じる要素は多岐にわたります。
そのため、たとえ年収1000万円稼いだとしても、プライベートの時間をがなければ、それは幸せとは言えないでしょう。
もちろん、仕事一筋の方は、年収に比例して幸せになるかもしれません。
しかし、「幸せに最も重要なのは、良好な人間関係」という研究結果があるように、お金以外に大切なことはたくさんあります。
時間を犠牲にして必死にお金を稼ぐより、大切な人と時間を過ごすほうが、幸せを感じるでしょう。
ちなみに、下記の記事では幸せとは何かについてより詳しく解説しています。幸せな人生のための5つのステップについてもかいせつしているのであわせてどうぞ。
幸福度を高めるお金の使い方

この記事では「年収800万を超えると幸福度は変わらない」というちょっと意外な研究を紹介しました。
「じゃあどういうお金の使い方をすればより幸せになれるんだろう」と気になりませんか?
なので最後に、「幸せになれるお金の使い方」を3つ紹介します。
その①:時間を買う
「時間がない。毎日忙しくて趣味の時間がない」という方は、時間を生み出すモノやサービスにお金を使うのがおすすめ。
たとえば、乾燥機付き洗濯機、ルンバなどの時短家電や、家事代行、料理の宅配サービスなど、家事を外注するのもいいでしょう。
そして、増えた時間を、自分のために使えば幸福度は高まります。
時間は有限。1日24時間という事実は変わりません。
その②:経験を買う
「ものを買ってもすぐ飽きてしまう」という方は、体験や経験にお金を使いましょう。
なぜなら、経験による満足度は日に日に増していくからです。
旅行の思い出は、いつまでも色あせませんよね。
思い出すたびに幸せな気分になり、幸福度はいつまでも残ります。
ものを買うとそうはいきません。
傷がついたり、管理が手間だったり、ストレスの感じるイベントばかり。
購入時をピークに、幸福度は減少していきます。
同じ額を使うなら、経験に使うほうがコスパが良いです。
その③:他人のために使う
自分以外にお金を使うのも、良い戦略です。
なぜなら人間は、人とのつながりの中に幸せを感じるから。
人類は狩りをしていた大昔から、集団の中で進化してきました。
なので、人は、他人とのつながりを大切にするようにできています。
なので、
- 大切な人にプレゼントを買う
- 寄付をする
- 応援したい企業に投資する
など、誰かのためにお金を使う。
こうすると、「自分は他人のためにお金を使う心の余裕があるんだ。」と感じ、自己肯定感が高まります。
幸せな人生を送るために
今回紹介したのは、科学的な根拠をベースにしたもの。
しかし、科学が当てはまらない方がいるのも事実。
なにが幸せかは、人によって変わります。
ですが、まずは実際に行動しないことには始まりません。
やってみて、幸せを感じるか感じないか確かめてみる。
感じるなら続ければいいし、感じないなら別の方法を探せばいい。
はじめのきっかけとして、今回のお話を参考にしていただければ幸いです。
下記の記事では、両学長が書かれた、「お金の大学」を実践し、年間70万円節約した方法について解説しています。
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