- 「退職代行がクズだ」という意見が一定数あるのも事実
- でもその多くが偏見でしかない
- 実際退職代行への理解は、広がりつつある
こんにちは、内向型Webライター、ばちといいます。
退職代行を使うのってクズなのかな?
なんで非常識だと言われているんだろう?
退職代行を使いたいけど、他の人の意見が気になって踏み切れない…
今回は退職代行を使いたいけど、周りの意見が気になっているあなたへ向けて、退職代行がクズだと言われる理由を心理学的に考察していきます。
さらにクズ派の意見をまとめたうえで、「退職代行サービスはクズじゃないよ」という話に触れ、クズだと言われないための退職代行サービスを紹介しました。

この記事を読めば、退職代行を批判する人の心理が分かります。
クズと言われる理由が分かれば少しは楽になると思いますので、ぜひ参考にしてください!
退職代行はクズだと批判する心理学的な理由


ネット上やSNSを見てみると、やはり「退職代行使うやつってクズだよね」「退職代行使われたんだけど非常識すぎない?」「自分で退職を伝えないとかありえないだろ」こういった意見が一定数あるのも事実。
あなたもこんな言葉を目にし、利用に踏み出せないのかもしれません。
退職代行がクズだといわれる理由は、下記の3つの心理バイアスが働いているから。
- 現状維持バイアス
- 確証バイアス
- サンクコストバイアス
これら3つのバイアスが働き、退職代行を使う人はクズで非常識だと判断されてしまいます。



言い換えると、ただの偏見なんですね。
「退職代行を使う人ってクズそう」と勝手に考えているだけなので、気にする必要はありません!
ここでは「そう言われても納得できないよ」というあなたへ向けて、「退職代行を使う人はクズだ」と判断する心理的なプロセスをくわしく解説していきます。
現状維持バイアス丨新しいサービスだから
まず1つ目は、現状維持バイアスです。
簡単に言えば、人間は変化を嫌う傾向があるということ。
慣れ親しんだレストランばかりに足を運んだり、今の職場に違和感があるのに転職に踏み出せなかったり、僕たちはとにかく現状にとどまりがちなんです。
いまや誰もが持っているスマホですが、出た当初は一部の人しか持っていませんでしたよね。
さらにこれだけ普及した現在でも、ガラケーを使う方がいるのも事実。



これらはまさに、現状維持バイアスが働いて、変化を嫌っていることが理由なんです。
では、退職代行について考えてみましょう。
退職代行のパイオニア「EXIT」は、2018年に生まれたサービス。
サービス自体が生まれてから、3年しか経っていないわけですね。
人間は、新しいサービスに対して一度敵意を向けます。
退職代行も、その例外ではありません。



新しいサービスを受け入れられず「退職代行を使うなんてクズだ」と判断し、自分を正当化しているだけなんですね。
確証バイアス丨自分は間違っていない
そして2つ目は、確証バイアスです。
確証バイアスは、自分にとって都合のいい意見しか集めようとしない心理のこと。
たとえば、転職にネガティブなイメージを持っているAさんがいるとしましょう。
今や転職するのも当たり前の時代となり「転職してキャリアを高めよう」と発信するインフルエンサーも少なくありません。



しかしAさんは、これらの情報を集めようとしないんです。
それどころかそれらの意見を聞いたとしても、無視しようとさえするんですね。
人間は、自分の考えを否定されるのが嫌なんです。
自分は間違っていない、自分は正しいんだ。そう思うことで、他人よりも優れていることをアピールし、マウントをとるわけですね。
確証バイアスは、退職代行にも同じことがいえます。
退職代行の認知が広まり、利用が一般的になりつつあるものの「退職代行はクズだ、退職代行なんて非常識だ」「直接退職を伝えるのが礼儀だろう」と思っている人は、退職代行賛成派の意見に見向きもしません。



退職代行を否定し、マウントを取ることで自分の身を守っているんですね。
サンクコストバイアス丨採用は大変だった
サンクコストとは、すでに取り返せないコストのこと。
経済学では、埋没費用ともいいます。
「コスト」とはいうものの、なにもお金だけを指すわけではありません。
時間や労力などもサンクコストの一部です。
具体例をあげましょう。
- 服を捨てられない人にとっての、購入代金
- 転職したい人にとっての、今まで働いた時間
- 恋人と別れようか迷っている人にとっての、今まで過ごした時間
サンクコストバイアスとはサンクコストが足かせになり、合理的な判断ができなくなること、カンタンに言えば、もったいないから行動できないことです。



すでにほとんど着ていない服は、処分してしまうのが合理的。
ですがお金をかけて買ったものを捨てるのは、なかなか難しいことですよね…。
退職代行について考えてみると、会社が社員を採用する時、労力や時間、賃金などの多大なコストをかけています。
面接などの選考業務はもちろん、人事担当への給与もそうでしょう。
さらに採用された社員へ支払う給与も、会社にとってのコストにあたりますね。
そんな社員から「退職代行を使って辞めます」と言われると、サンクコストバイアスが働いて退職代行へのネガティブな印象につながるわけですね。
直接退職を伝えても同じこと
鋭い方は「それって退職代行使わなくても同じことでは?」と感じたかもしれません。
そうなんです、退職代行を使わずに直接退職を伝えたとしてもサンクコストバイアスは働きます。
「世話になった会社を退職するなんて恩知らずだ」「今辞めたら後悔するぞ」
これらのおせっかい発言の真相は、サンクコストバイアスだったんです。
直接伝えるにせよ退職代行を使うにせよクズだと言われるのなら、好きな方法で辞めてもいいはず。



退職代行を使ったほうが直接イヤミを言われない分、ラクですよね。
退職代行はクズ派の意見をまとめてみた


「退職代行はクズだ」と考える人間の心理プロセスを確認してきました。
では続いて、ネット上やSNSで多く見られた具体的な意見を確認していきましょう。
非常識だ。会社への礼儀がない
まずは会社への礼儀がない、といった意見。
お世話になった会社に対して感謝の言葉も伝えずに、他人の力で退職するのは非常識ではないのか、と。
確かにその意見にも一理あるとは思います。
しかしその会社が従業員に対し、礼儀を持っていると言えるのかは疑問です。
そもそも退職代行を検討している時点で、使われる会社側にも何らかの問題があるはず。
- 直接伝えても会社を辞めさせてもらえない
- パワハラ上司でコミュニケーションが取りづらい
- コミュニケーションの取りづらい職場環境
従業員を大切にしている会社であれば、直接退職を伝えてもすんなり受け入れてくれるもの。
それが出来ないからこそ、退職代行という選択肢に目が行くわけですよね。



従業員に対して礼儀を持っていないにもかかわらず、退職代行利用者に「礼儀がない」と主張するのは筋が通りませんよね!
無責任だ。引き継ぎや後任のことを考えていない
退職代行を使って急に辞められると後任の補充が間に合わず、仕事が回らなくなる、といった意見も多く目にしました。
心優しい人や責任感のある人ほどこの罠にかかってしまいますが、これは本来会社の責任です。
つまり後任の補充や退職後の配置などは、従業員ではなく会社の仕事ということ。
実際民法627条には、下記のように定められています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法627条
つまり「辞めますと伝えてから2週間経過すれば、あなたはいつでも会社を辞められますよ」と、あの民法様が決めてくれているんです。



「後任や引き継ぎを終えてからでなければ会社を退職できない」なんてどこにも書いてません。
ありえない。お金がもったいない
あとは「退職代行に高いお金を払うなんてもったいない」という声もありました。
自分で退職を伝えれば、もちろんお金はかからないわけですからね。
しかし退職代行の利用は、賢い選択なんです。
というのも、心理学の研究では「時間を生むものや経験に投資するのが、賢いお金の使い方」と言われているから。
退職代行サービスを使えば自分で退職手続きを行う必要はありませんし、必要書類なども業者が教えてくれます。
その分時間が生まれるため、その時間を好きなように使えるわけです。
さらに退職代行を使う経験なんて、一生に何度もあるものじゃありません。
貴重な経験ほど記憶に残るため、何年か経った後に「あ、そんなこともあったな」と懐かしむこともあるはず。



自分で退職を伝えられる状況であれば話は別ですが、人間関係や職場環境などにより退職を自力で伝えるのが困難なら、退職代行の利用は決して悪い選択ではありませんよ!
これでもクズと言えますか?退職代行はこんなサービス


「退職代行はクズだ」と考える人の心理学的な理由やクズ派の意見について見てきました。
ここからはそれを踏まえて、退職代行を使うことは本当に非常識なのかを考えていきましょう。
退職代行は、次のステップに進むための一つの手段
そもそも退職代行は、未来を応援するためのサービスです。
- 退職が言い出せない人が、スピーディに次に進めるように。
- 退職にあれこれと悩むムダな時間をなくすために。
- 大切な命をなくしてしまわないために。
退職の先にはどんな形であれ、新しい未来が待っています。
その新たな人生のスタートを手助けしてくれるのが退職代行です。
なのでただ単に退職を伝えることが面倒だったり、引き継ぎしたくないだけだったり、自分勝手な理由なら非難されてしまうかもしれません。



しかしブラック企業でメンタルがボロボロ、内向的で退職を伝える勇気がない、そんな方が次に進むため手段としては、ピッタリの選択肢なんですね。
退職を伝えるのが「本人か業者か」の違いだけ
本人による退職と退職代行、その本質的な違いを考えてみると「だれが退職を伝えるか」という違いしかないことが分かります。
社員が退職する際、社員の退職手続きや後任の配属などの業務が発生しますが、それはどちらの場合でも同じこと。
「退職代行は引き継ぎせずに辞められるから困る」という意見もありましたが、それは本人による退職でも起こりえます。
たとえば退職を伝えた次の日から有給消化に入り、引き継ぎをしないまま退職する場合だってあるわけですね。
逆に退職代行を使う場合でも、事前に引継書を用意してから退職するのなら、問題なく引き継ぎできるはずです。
つまりそれは退職代行の利用が直接の原因ではなく、退職する人の選択に左右されること。
退職代行を使ったことによって、会社に損害が生じるとか業務が増えるとか、具体的な悪影響があるわけではないんですね。



そう考えると「退職代行はクズだ」という意見は、感情的な意見でしかないことが分かりますね。
バックレのほうが迷惑がかかる
さらに会社の立場から考えると、バックレられるよりは退職代行を使ってくれたほうがラクです。
退職代行を使った場合退職の意思が伝わるため、次の採用に動きやすいはずですよね。
しかしバックレの場合、体調不良なのかバックレなのか分かりませんし、はたまた何かの事件に巻き込まれた可能性だってあります。
次の採用に動くまでに、退職意思の確認という作業が発生してしまうため、業務が増えちゃうわけですね。
「会社への迷惑」という視点から考えても、退職代行はバックレよりも正しい選択だと言えそうです。
以上のように、本質的に誰が退職を伝えるかが違うだけであって、退職の手段の一つでしかありません。
もし退職が言い出せずにモヤモヤしているのなら、退職代行を利用してサクッと次に進むのもアリです。
退職代行は、市民権を得つつある
退職代行サービスが普及して、そこそこの年月が経ったためか、退職代行への理解も広がりつつあります。
実際日本労働調査組合が2021年に行ったアンケートによると、20〜30代の44%が実際に退職代行の利用を検討していることがわかりました。
このようなデータを踏まえると、若い世代を中心に退職代行も市民権を得つつあることが伺えますね。



実際僕も退職がきりだせず、第一声がメールだったので、退職を言い出しづらい人の気持ちはよくわかります…。
クズとは言わせない!会社に迷惑をかけないための退職代行サービス3選


それでは最後に、おすすめの退職代行サービスを紹介します。
現在はいろんな退職代行サービスがありますが、中には法律に違反するものもあります。
よくわからないまま選んでしまうと違法なサービスを選ぶことになり、何らかのトラブルに巻き込まれてしまうことも。



会社へ迷惑がかからないという観点でも、違法性は気にしたいところですね。
今回紹介するサービスは、企業との交渉が法律により認められている弁護士や労働組合による退職代行なので、違法性の問題をクリアしています。
「迷ったらこの中から選ぶのがオススメ」というサービスを3つを厳選しましたので、ぜひこの中から選んでみてくださいね。
弁護士法人みやび|弁護士が運営


弁護士法人みやびは、ブラック企業を辞めたい人におすすめの退職代行サービス。
弁護士法72条により企業との交渉が認められているため、問題なく依頼可能です。「退職は認めません」と主張しても、みやびはあなたのために交渉してくれます。
さらに口コミを見てみると、対人スキルに長けた弁護士による丁寧な対応が評判でした。
また成功報酬が一律でわかりやすいところも、弁護士法人みやびを選ぶメリット。
たとえば未払い給与や残業代、退職金を請求して無事に支払われた場合、成功報酬としてその一部を弁護士に支払う必要があります。
多くのサービスがその成功報酬額を「場合により変動」としている中、弁護士法人みやびは請求金額の20%と具体的に記載しているんですよ。



未払金として10万円が支払われた場合、その20%の2万円だけ支払えばいいですよ、ということですね。
料金は税込55,000円と決して安くはありませんが、「金額にも満足している」との声も見られるサービスです。
退職110番|弁護士が運営


退職110番は、労働問題専門の弁護士によるサービス。
退職110番を運営する相川弁護士は、社会保険労務士の資格を持つ労働問題のプロです。
一口に「弁護士」とはいっても、専門分野が異なります。
- 離婚や相続などの家庭内の問題
- 契約や交渉などの民事裁判
- 犯罪などの刑事裁判
当然ですが、その得意領域はそれぞれの弁護士によってさまざまなわけですね。
退職代行を運営している弁護士の中には、本当に労働問題が得意なのか、明確に記載されていないことも。
その点退職110番は、労働問題の専門家とばっちりアピールされています。
にもかかわらず、弁護士が運営する退職代行の中ではリーズナブルな料金です。
だいたい5万円が相場ですが、退職110番は税込43,800円と高コスパ。



特に「あらゆるリスクに備えたい」という方にとっては、ぴったりなサービスです!
退職代行ガーディアン|労働組合が運営


退職代行ガーディアンは、東京都労働委員会から認証された労働組合によるサービス。
労働組合には「団体交渉権」があるため、会社と交渉が法律で認められるものの、実態として、さほど民間企業と変わらないような労働組合があることも事実です。
しかしその点ガーディアンは、20年以上運営されている、身元のきちんとしている労働組合によって運営されているんですね。
料金も税込29,800円ポッキリ。
追加料金もなく、弁護士よりもリーズナブルに利用できるのもガーディアンを選ぶメリットですね。
ガーディアンでは裁判への対応はできないものの、従業員一人相手に裁判を起こすのはコスパが悪いので、訴えられるのはごくまれのケースと言えます。



弁護士のサービスと労働組合で迷ったあなたは「裁判のリスクまで備えたいかどうか」で決めるといいでしょう。
「退職代行はクズだ、非常識だ」はただの偏見。そもそも他人に口出しされる筋合いはない
退職代行は、勇気が出ずに退職を言い出せないあなたを応援するサービスです。



なにも気にせず退職を言い出せる人もいれば、不安や後ろめたさからなかなか言い出せない人もいます。
それぞれに合った退職方法を選び、次に進めれば、それでいいと思います。
もしあなたも上記に当てはまるのなら、退職代行の利用はいい選択肢になります。
ぜひ退職代行を使って、新しい人生を歩んでいきましょう。