こんにちは、ばちといいます。
言語聴覚士になりたいけど「やめとけ」って意見も多いな…
働いている人に、言語聴覚士の仕事の本音を聞きたい。
自分は言語聴覚士を目指すべきなのかな?
今回はこんな、言語聴覚士になろうか迷っている方の疑問を解消すべく、HSPさんにインタビューして来ました!
結論として人間関係面、給与面、労働環境面の3点から、言語聴覚士はやめとけと言われがち。
とはいえあなたがHSPなどの敏感な気質をもっているのなら、言語聴覚士を目指すのもいい選択になるとのことでした。
この記事ではやめとけと言われる理由について深堀りしたうえで、言語聴覚士がHSPに向いているワケについて解説します。
良い面と悪い面、どちらも解説していきますので、あなたは言語聴覚士として働いていけそうか、考えながら読んでみてくださいね!
- 言語聴覚士として働く外向型HSPさん
- 6年間で3箇所での勤務を経験
- 言語聴覚士としてオンライン起業を目指し、Twitterにて発信中
言語聴覚士とは、発声や食事のリハビリを行う専門職
まずは言語聴覚士がどんなお仕事なのか、ざっくりとおさらいしておきましょう。
- リハビリの専門職
- 専門学校や短大、大学に通い、国家資格を取得する
- 病気や障害などにより発声や食事ができなくなった人のサポート、リハビリを行う
- 訪問リハビリもある
発声や食事にまつわるリハビリを行う、国家資格保有者の言語聴覚士。
個人的に言葉の発声のみがリハビリ対象だと思っていたので、食事のリハビリも行うところはすごく意外でした。
ケイケイさんはこれまでに、言語聴覚士としてどれくらい働いて来られたんですか?
これまで6年間、言語聴覚士として働いてきました。
病院で5年間、病院と兼任で1年間訪問リハビリをしています。
3か所の法人で、それぞれ約2年ほど勤務しました。
複数の施設で働かれた分、これから伺う内容も説得力が乗りますね!
今回は3か所の法人で約6年間、言語聴覚士として働いてきたケイケイさんにお話を伺いました。
やめたほうがいい?言語聴覚士がやめとけと言われる理由
この記事を書くにあたって言語聴覚士について調べてみると「言語聴覚士はやめとけ」のようなネガティブな意見が多かった印象です。
なぜそのような意見が生まれてくるのか、HSPであるケイケイさんが感じたことを教えてください!
わかりました!
主な理由として、労働環境や待遇面でネガティブに感じてしまう方が多いのではないかと思います。
ケイケイさんに伺った、世の中で「言語聴覚士はやめとけ」と言われる理由は下記の3点。
- 人間関係に息苦しさを感じる
- 給料があまり高くない
- 労働環境が悪い施設で働くこともある
一つずつ、くわしく伺いました。
人間関係に息苦しさを感じる
まずは人間関係面についてはいかがでしょうか?
はい!
もちろん施設によっても異なりますが、基本的に病院は閉鎖的な環境である場合が多いのです。
そういった環境での人間関係に苦しさを覚える方が多いのでしょう。
確かに僕も医療事務として働いていましたが、なんだかこう…閉じ込められているような、そんな印象でしたね。
ですよね。
一般的な社会とはすこし離れた独特の環境でもあり、そのクローズドな人間関係に息苦しさを感じるのだと思います。
私も人間関係で悩み、何度か職場を変えました。
地域のコミュニティの一部として存在する病院での仕事は、一般社会からの距離を感じさせるのだとか。
閉じた環境では、どうしても濃い人間関係を築く必要があるため、合わない同僚がいた場合に苦労するのも納得ですね。
給料があまり高くない
給料は、正直いって高いとは言えません。
病院の経営は患者さんたちから支払われる医療費によって成り立っており、その金額は「診療報酬」という規定によって定められています。
診療報酬…。医療事務の頃散々苦労させられました…。
「この処置は〇〇円」と細かく定められているので、基本的に病院が儲かる仕組みではないんですよね。
おっしゃるとおり。
病院自体の収益がそれほど多くはない分、働くスタッフの給料もそれほど高くなく、毎年の昇給はあまりありません。
一般企業で働くサラリーマンと比較してもやや低いというのが現状です。
そういった意味で病院での仕事はハードにもかかわらず、給与面で恵まれないお仕事だなぁと感じますね…。
言語聴覚士自体は売り手市場なので、資格さえ取れれば就職先に困ることはありません。
ただし給料を重視する場合は不満を感じるかもしれませんね。
ケイケイさんに生々しい給料のお話は伺っていないので、参考までに求人ボックスが出していた言語聴覚士の平均給与を参照すると、正社員で平均352万円だそうです。
東京でも396万円。
銀行員などの平均年収は600万円以上とも言われているので、そのあたりと比べると低い水準と言えます。
労働環境が悪い施設で働くこともある
HSPさんにとって大事な大事な、労働環境についてはいかがでしょうか。
言語聴覚士だけに限らずかとは思いますが、職場によって残業や休日数、職場の福利厚生などの環境に差があります。
歴史の長い病院では建物自体が古く、内装も想像通りぼろぼろで…といったこともありますね。
中には残業や休日出勤を強いるような病院があるのも事実です。
たしかに病院は古い、みたいなイメージってありますよね…。
古くからの名残で、休日出勤などの悪しき風習が残ってしまっているのかもしれません。
他にもシフト制の勤務についてもですね。
カレンダー通りの休みでないのはもちろん、職場によっては休みが少なめの職場もあります。
シフト制のお仕事はリズムが狂いがちですからね…。
週3回以上のシフト勤務は体内時計を壊す、みたいな研究もあったりするので、注意が必要です。
また「急性期」と呼ばれる発症直後の患者さんを受け入れている病院では、比較的スピード感を求められることもあり、その分体力も必要になります。
体力が不安になる年齢になると、働き方に苦しむこともあるかもしれませんね。
定年まで働けるのかどうかは、気になるところだと思います。
「なんだか最近体力的に厳しくなってきたな…」と感じるならば、少し緩やかに働ける施設への転職がオススメですね!
環境は、働く病院や施設によって大きく変わります。
職場を決める際は必ず職場環境を見学させてもらったり、できれば先輩に話を聞いてみたり、事前のリサーチを入念に行うべきですね。
言語聴覚士はHSPさんに向いている。おすすめの理由を聞いてみた
外向型HSPであるケイケイさんに伺います。
やめとけ、とも言われる言語聴覚士は、HSPさんに向いていると思いますか?
はい、HSPさんに向いている仕事だと思います!
それは耳寄り情報ですね!
では続いては、なぜHSPさんに向いているのかに焦点を絞ってお話を伺っていきます。
ケイケイさんが教えてくれた、言語聴覚士がHSPに向いている理由は、大きく分けて下記の3点。
- 合わない場合に転職しやすい
- 共感力を活かせる
- 基本的に、患者さんと1対1で働ける
それでは一つひとつ、くわしく見ていきましょう!
合わない場合に転職しやすい
まずひとつ目の理由は、資格職であることです。
資格職の強みは、一つの職場に依存しないこと。嫌な環境や合わない職場であっても、一般的なサラリーマンに比べると辞めやすいのかなと。
たしかに資格さえあれば、辞めてもすぐに次の職場を探せますもんね。
前項であげた人間関係や労働環境が合わなかった場合でも、次の職場に切り替えやすいのはとてもいいですね!
人が多い病院を避けたり小規模の施設を選んだり、訪問の分野を選んだりと選択肢も幅広く、自分にピッタリの働き方を考えていけるのは大きなメリットですね。
なるほど…!
あと、言語聴覚士の社会的な需要については結構あるものなのでしょうか?失礼な話、リハビリ分野といえば理学療法士、みたいなイメージがあったので…。
時代が変わっても需要のあるお仕事だと思います!
先ほどもお伝えしたとおり、言語聴覚士は言葉や飲み込みのリハビリをする仕事です。高齢者や発達障害児などは特にそうですが、本当に多くの方々にとって必要な存在です。
今後も高齢化社会が進んでいくことを考えると、言語聴覚士の重要性はますます高まっていきそうですね。
おっしゃるとおりです!
需要は増加する分、働き口に困ることはありません。現に言語聴覚士を採用、増員する病院は増加傾向にあるみたいですよ。
僕は前職準公務員だったので、合わない職場でも退職することにかなり抵抗がありました。
そして限界まで働き続け、体調を崩してしまうことに…。
言語聴覚士は資格職である分、合わない職場を切り捨てやすいお仕事です。
HSPさんにとって大切な、職場環境を吟味できるのは大きなメリットだと言えますね。
共感力を活かせる
お話を聞いていて、HSPさんのもつ「思いやり」という強みを活かせるお仕事だなぁと感じました。
おっしゃるとおりですね。
患者さんや利用者さんと接することが多く、相手は何らかの不調や障害を抱えている方です。
「相手のために何かしてあげたい、助けてあげたい」という気持ちは、言語聴覚士にとって大きな武器になりますよ。
HSPさんは人の気持ちがよくわかる、つまり強い共感力をもちます。
言語聴覚士に限らずリハビリ職、ひいては医療職は共感力をふんだんに活かせるお仕事と言えそうですね。
はい、実は人への優しさをもつHSPさんの特性がいかせる世界なんです。
人を救うお仕事はサラリーマンでは味わえないやりがいを感じることでしょう。
基本的に、患者さんと1対1で働ける
とは言ってもやはり病院の仕事。
多くの人と接することは、HSPさんにとってマイナスなのかなと感じますが…。
確かにそういったイメージもあると思います。
でもリハビリ職、中でも言語聴覚士はほぼ患者さんと1対1のお仕事なのです。
個別や病室でのリハビリが多く、人からの目線も感じることは少ないんですよ!
そうなんですか!?
考えてみれば言語や食事にまつわるリハビリなので、患者さんにとっても1対1のほうがやりやすそうですね。
そうなんです。
なので患者さん対応中は第三者と関わる機会も少なく、比較的自分のペースで介入できます。
これは大人数が苦手なHSPさんにとって、大きなメリットですよね。
ケイケイさんに伺った、言語聴覚士がHSPさんに向いている理由をまとめます。
HSPのもつ「共感力」という強みを活かせるうえ、基本的には1対1のやり取りが多いこと。
またたとえ職場環境や人間関係が合わなかったとしても、資格職である分転職もしやすいお仕事です。
これらの特徴から、あなたがもしHSPさんでも、言語聴覚士を志すのはいい選択肢になるでしょう。
「言語聴覚士はやめとけ」の声が気になるなら、1本の映画を観てみよう
今回はお話いただきありがとうございました!
言語聴覚士について理解を深められた、貴重な機会でした。
最後にケイケイさんから、お伝えしたいことはありますか?
ばちさんもおっしゃったように、おそらく言語聴覚士は最もイメージしにくいリハビリ職だと思います。
実際に医療現場で働く人ですら、仕事ぶりがわからないほどです…。
そんな言語聴覚士の仕事を理解したい方にオススメなのは「英国王のスピーチ」という映画です。
英国王のスピーチ…?
はい。
すらすら発声できない吃音に悩まされている英国王ジョージ6世と、国王の治療にあたる言語聴覚士、ライオネルの友情を描いた物語です。
言語聴覚士の仕事内容ややりがいなど、具体的にイメージできる映画なので、言語聴覚士を志す方にはぜひ見て頂きたい作品です。
あらすじを聞いただけでなんだか気になってきました…!
言語聴覚士のことを知りたい方は、要チェックですね!
当ブログでは「自分に合った仕事を見つける」をコンセプトに転職ノウハウを発信しているので、ぜひ参考にしていただき、ぴったりの仕事を探していきましょう!
あなたの体験談もコメントしていただき、一緒にお仕事図鑑を作っていきましょう!