こんにちは、ばちといいます。
保育士はやめとけって言われてるみたいだけど、どうして?
現役の保育士さんのお話が聞きたい!
ブラックな保育園を見分ける方法ってないかな…
今回はこんな、保育士を辞めようか迷っている方へ向けて、HSPさんにインタビューした模様をお届けします。
- 定員数120人の認可保育園で4年
- 60人の認可保育園で2年
- 60人の認可保育園で2年目
今回お話を伺ったあんさんは上記のように、複数の保育園、そして残業だらけのブラック保育園からホワイトな保育園まで、多くの経験をされてきたとのこと。
今回はそんなあんさんに、保育士とHSPについて深く語っていただきました。
この記事では「HSPが保育士になるのはやめとけ」と言われる理由から、実はHSPに向いているお仕事なんだというお話、最後にブラック保育園を見分ける方法について解説します。
今ブラックな保育園で働いていて保育士という仕事が嫌いな方も、自分らしく働けるヒントが学べますので、ぜひ読んでいってくださいね。
それではインタビューの模様を、どうぞ!
HSPはなるもんじゃない?保育士がやめとけと言われる理由
調べてみると「保育士になるのはやめとけ」という意見が多かった印象です。
そこで保育士として働かれたHSPであるあんさんの視点で、やめとけと言われる理由についてお聞かせください!
わかりました!
一般的な話というよりも「HSPさんにとってどうか」という視点でお話させてもらいますね。
あんさんに伺った「HSPが保育士になるのはやめとけ」と言われる理由は下記の4つ。
- 残業が当たり前の風習
- 古い考えが残っている
- コミュニケーションが必要な場面が多い
- マルチタスクが必須
インタビューの模様を一つずつ、くわしく見ていきましょう!
残業が当たり前の風習
「残業が当たり前」のような風習が根強く残っている保育園は、いまだに多い印象です。
実際に保育士の友だちやTwitterのフォロワーさんから話を聞くと、残業に悩む声はよく聞きますね。
なんとなく、保育士さんは残業多そうだなと思っていましたが、やはり多い傾向にあるんですね…。
どうして保育士さんは、残業が多くなってしまうのでしょう?
やはり仕事量の問題でしょうか…。
保育園では、クラス1つに対して何名かの保育士が担当する複数担任が採用されている場合が多く、運営や行事について同僚との話し合いが必要になります。
とはいえ勤務時間内は子どもたちのお世話でいっぱいいっぱいなので、やむ終えず残業になることも…。
他にも書類や制作物の作成などにも手が回らず、残業することもありました。
子どもそっちのけで、仕事するわけにはいきませんもんね…。
そうなのです…。
嬉しいことに、私が現在働いている保育園は残業がほとんどありません。
しかし以前は、夜遅くまで残業が強いられるような職場で勤めていたこともあり、当時は身も心もボロボロになっていました。
人一倍疲れやすいHSPさんにとっては、大きなデメリットと言えそうです…。
HSPさんは残業を減らしたり、断ったりするテクニックだけでなく、そもそも残業の少ない職場を選ぶことが大切ですね!
古い考えが残っている
前項の「残業して働くのが当たり前」の他にも、古い考えが残っている職場が多い印象です。
例えば「家に仕事を持ち帰るのが当たり前」「おもちゃや装飾、行事のプレゼントは、保育士が手間暇をかけて作るのが当たり前」のようなものですね。
上に立つ人が価値観を全員に強制してしまうと、自分で職場を変えるのはなかなか難しいことですよね…。
そうなのです…。
以前働いていたブラックな保育園の園長は「子どもを笑顔にするために、保育士は身を削ってでも努力すべき」という考えの方でした。
同僚もみんなおかしいと思いながらも、上司の考えに誰も突っ込めず、クタクタになりながら働いていました…。
そういった上司だと、そもそも現状を変えようとしてくれなさそうですね…。
心優しいHSPさんなら、先輩が作業している中、先に帰ることに抵抗を感じるはず。
こちらも同様に、職場選びの際に注意したいポイントですね。
コミュニケーションが必要な場面が多い
個人的に保育士さんは、コミュニケーションが必要になる場面が多いのかなと感じていました。そのあたりはいかがでしょう?
おっしゃるとおりです。
たくさんの子どもや上司、同僚、保護者、地域の人々など、日々たくさんの人との接点があります。
また複数担任である場合、保育指同士で意思疎通をはかりながらクラスをまとめていかなくてはいけません。
大人数の環境が苦手なHSPさんにとっては、しんどい状況ですよね。
僕も医療事務として働いていた時、100人近い同僚や3000人以上の患者さん、医師、看護師など、多くの人と接するだけでヘトヘトになってしまいました…。
さらに同僚と保育の価値観が大きく違えば、衝突することにエネルギーを使うため、HSPさんにとっては苦労することも多いかもしれません。
9人の繊細さんに、HSPが働きやすい職場についてインタビューした記事でも、一人で黙々と働ける環境がいいという声が挙がりました。
その点保育士さんはいろいろな人と接する機会が多く、人間関係に悩まされることで、やめとけと言われるようになったのでしょう。
マルチタスクが必須
一度に複数の仕事をこなさなければならない、マルチタスク。
保育士さんのお仕事も、マルチタスクになりがちかなと思うのですが、実際どうですか?
おっしゃるとおりです。
マルチタスクが苦手なHSPさんにとって、つらい原因の一つかもしれませんね。
私もたくさんの業務が1度に重なると、すぐに混乱してしまいます。
たとえば、どういった状況でマルチタスクが起こるのでしょうか?
子どもは、いつも危険と隣り合わせ。
転んで怪我をしたり、お友だちとケンカしてしまったり…。
保育士には「子どもの命を守る」という責任があります。どんな仕事をするにしても、その責任を頭の片隅に置いておかなければなりません。
たしかにそうですよね。
そういった意味では、保育士さんは常にマルチタスク状態とも言えるかもしれませんね…。
はい、そのような状況で書類作成や行事の準備、保護者への対応、避難訓練、備品管理、掃除など、割り振られた仕事を進めていかなくてはいけないのです。
神経学者が否定しているように、僕たちはマルチタスクができません。
情報を多く受け取りすぎてしまうHSPさんにとっては、なおさら苦手意識を感じることでしょう。
HSPは保育士に向いている。その理由を繊細さんに聞いてみた
そう考えると、保育士はやめとけと言われてしまうのも納得できますね…。
やっぱりHSPさんが保育士になるのは、避けたほうがいいのでしょうか…?
いいえ、そんなことありませんよ!
大変な面もある一方で、保育士はHSPさんに向いている仕事だと思います!
向いているんですか!?
くわしく聞かせてください!(ワクワク)
わかりました!
一言でまとめると、保育士の仕事ではHSPさんのもつ個性が活かせるのです。
あんさんが教えてくれた、保育士に活かせるHSPの強みは下記の3点。
- 共感力:言葉以外から子どもの感情を汲み取れる
- 感受性:子どもと一緒に体験を共有できる
- 予測力:子どもを危険から遠ざけられる
順に見ていきましょう!
共感力:言葉以外から子どもの感情を汲み取れる
保育士として働くうえでとても大切なのは、共感力です。
HSPさんはもともと共感力が優れているので、その強みを仕事に活かせると保育するのも楽しくなりますね。
HSPさんはちょっとした表情や語気の変化で、相手の感情を敏感に読み取りますからね!
保育士さんにおいて共感力は、どのようにプラスに働きますか?
子ども、とくに乳児は言葉をうまく話せないので、泣いたり怒ったりして、気持ちを表現します。
共感力が高いと、子どもの感情表現一つひとつに丁寧に寄り添ってあげられるのです。
なるほど…!
子どもにとっても気持ちをちゃんとわかってくれる保育士さんは、心の拠り所となる存在だと思います。
私は子どもが泣いていたり怒っていたりすると、すぐにその理由を考えます。
直感で理由を理解できることも多く、この直感力もHSPさんの優れた気質のひとつですよね!
内向型やHSPさんは共感力という強みをもちます。
会話が苦手な傾向があるHSPさんですが、実際人と関わる仕事にも向いている一面があるんです。
感受性:子どもと一緒に体験を共有できる
何気ない日常も、子どもにとっては新しい発見と体験の繰り返しです。
HSPさんは感受性が豊かなので、子どもの世界を一緒に分かち合うことが得意だと思います。
子ども時代を追体験できるイメージですかね!
それは子どもと接する保育士ならではの魅力だと思います。
はい!
綺麗なものには一緒に心を打たれ、新しい発見には一緒に驚く。
不思議なことには一緒に疑問を抱き、悲しいことには一緒に悲しむ。
子ども目線となってみると、何気ない日常も新鮮に見えます。
実は職場の隣が保育園でして、子どもたちの好奇心にはいつも驚かされます。
いつからか気にも止めなくなっていたようなことにも彼らは敏感に反応していて、忘れていた大切ななにかを日々思い出させてもらってます。
大人になると、働いてご飯食べてお風呂入ってと、単調な毎日になりがち。どうしても日常に目を向けられなくなりますよね。
でもまだ数年しか生きていない子どもたちにとっては、毎日が非日常。
その一つひとつを共有できれば、より人生を豊かに過ごせそうですね。
予測力:子どもを危険から遠ざけられる
先ほどもすこしお話したように、保育士の使命は子どもの安全を守ることです。
HSPさんの危機回避能力やリスクに目を向ける力が、保育現場では大いに活躍します。
子どもの身になにか起こっては、大変ですからね…。
言われてみると僕も歩いているときによく周りを見渡したり、潜んでいる危険を無意識に探しているように思います。
わかります!
そのためには視野を広くもち、危険予測をして先回りして動くことが大切になってきますよね。
視覚情報に繊細であるHSPさんだからこそ、保育現場では「子どもを守る」という大事な役割を果たせるのです。
よくテレビで「間一髪、お父さんが子どもの危機を救った」みたいな動画が特集されていますけど、彼らはもしかしたらHSPさんなのかもしれませんね!
あなたももしかしたら「細かいこと気にしすぎだよ」「そんなのどうでも良くない?」と言われた経験があるかもしれません。
でも保育士にとっては、その繊細さが大きな武器になります。
子どもの命を守る、大切なセンサーになるんですね。
今の職場を辞めたい方必見!ブラックな保育園の見分け方
保育士が魅力的に見えるようなお話を聞かせていただきましたが、とはいえブラックな職場では働きたくないものです。
そこで最後に、現在ホワイトな保育園で働いているあんさんに、ブラックな職場の見分け方についてお聞きしたいと思います!
わかりました!
では私が職場を選ぶうえで大切にしていることを4つ、お伝えしますね。
あなたがHSP気質をもっているなら、できるだけホワイトな保育園を選ぶべき。
転職などで職場を選ぶ際は、下記の4つを基準に選んでみてくださいね。
- 職員数は十分か
- 仕事量が多すぎないか
- 休憩はきちんと確保されているか
- 衛生面は保たれているか
職員数は十分か
まずはやはり、人手不足の保育園は避けましょう!
保育園では、厚生労働省による「児童福祉施設最低基準」により、保育士の人数は決まっています。
恥ずかしながら知らなかったので調べてみると、0歳児3人につき保育士1人、3歳児20人につき保育士1人、のように子どもの年齢によっても変わってくるんですね!
でも国の規定で定められているなら、人手不足なんて起こり得ないのでは…?
もちろんおっしゃるとおりなのですが、実際のところ規定を守らずに運営している保育園もあります。
私は「人が足りないから新しい職員を探している保育園」を何度か見てきました…。
理想と現実は違うんですね…。
根本的に人手が足りないと、職員一人ひとりの負担も大きくなります。
まずは子どもがどれくらいいるのか、そして見合った保育士がきちんと確保されているか確認すべきですね!
現在僕は小さな会社で働いていますが「今のスタッフができる範囲の仕事をしよう」という価値観なので、1分たりとも残業することはありません。
しかし子どものお世話の場合は、そうはいきません。
所属している保育士でなんとかやりくりするしかないので、業務負担は当然増えます。
面接の逆質問などで、子どもの数や保育士の数をさり気なく聞いてみてください。
仕事量が多すぎないか
負担に関連して、仕事量についてもチェックしてみましょう。
保育士さんは子どもの保育に加えて書作や制作物の作成、行事の準備など、たくさんの業務を抱えていますもんね…。
そうなのです。
保育園によっては、そもそも勤務時間内に終わらせられないような仕事量を任されることもあります。
まずは園長や主任、事務員がきちんと機能していて、保育士が保育業務に専念できるか確認することが大切です。
保育園にも事務員さんがいるんですね!
事務作業も含めて保育士さんが行っているのかと思っていました。笑
それはさすがにパンクしてしまいます!笑
仕事量を見分けるコツは、壁面や手作りおもちゃを「いつ・誰が」作っているかを確認することです。
注意深くヒアリングすると、残業して作っているという事実が見えてくるかもしれません。
直接的に「うちの職場は仕事多いよ!残業まみれだよ!」と教えてくれる保育園は少ないでしょう。
保育士さんの働きぶりを観察したり、仕事の状況を聞いてみたり、しっかりと情報を集めていきましょう。
休憩はきちんと確保されているか
休憩時間が確保されているかどうか、休憩できる環境がきちんと整っているかどうかも、とても大切になります。
休憩は大事ですよね…。
僕が医療事務として働いていた頃、デスクでは電話が鳴り止まないうえに、休憩室もなかったので、心が休まりませんでした。
保育士さんだと、どんな休憩をとるのでしょう?
質の悪い休憩の例をあげますね。
- そもそも休憩をとる習慣がない
- 子どもと同じ部屋での休憩で心が休まらない
- 法律で定められた休憩時間が確保されていない
- 休憩中に書類や連絡帳を作成せざるを得ない環境
- 狭い空間や人の出入りが多い場所での休憩
- 一人の時間を確保できない
子どもにとっては職員が休憩中かどうかなんて関係ないので、同じ部屋だと休めないですよね…。
でもなんだか、医療事務時代の休憩を思い出してしまいます…。笑
ばちさんもこのような環境で働いていたのですね…。
きちんと休憩できる職場を選ぶためにも、定められた時間きちん体を休められる環境かどうかをチェックしてほしいです。
たとえばお昼時に見学をして休憩中の様子を見たり、どこでどんな風に過ごしているかを確認したりするといいかもしれませんね。
HSPさんにとって、休憩は必須のひととき。
美味しいものを食べたり好きな音楽を聞いたり、静かな環境でうたた寝したりゆっくり本を読んだり。
体力を回復し、午後の活力を得るための大切な時間です。
あなたにとって理想の休憩が取れるかどうかは、しっかりと確認しておきましょう!
衛生面は保たれているか
衛生面が悪いと、気持ちよく仕事ができませんよね。
掃除や整理整頓がきちんとされていない職場には、仕事においてもだらしない部分があらわれるので、注意しましょう。
HSPさんは真面目な方が多いので、職場の汚さやだらしなさが働きづらさの原因になるかもしれませんね…。
衛生面をチェックする際、どんなポイントを見ればいいでしょうか?
・棚の整頓具合
・床や棚のホコリやゴミ
・事務室の散らかり具合
・水回り
・保育道具の整理方法
・手紙の日付や壁紙の古さ
これらのポイントは、私が職場を選ぶ際に見ていました。
事務室などの表からは見えにくい部分にどれだけ気を遣っているかで、気配りの有無も見分けられそうだなと思いました!
今回お話してくださったあんさんについて
約12年間悩まされた社交不安障害や視線恐怖症を克服した経験から「今の自分が嫌だ、自分を変えたい。と悩む人に必要なのは行動だ」と考えるようになったそうです。
HSS型HSPであることを受け入れているあんさんの、自分を変えるためのヒントや行動の起こし方に関する発信を読めば、行動を起こす勇気をもらえるはず。ぜひチェックしてみてください!
保育士はやめとけ?いや、HSPに向いている仕事
以上、あんさんにお話を伺い、保育士とHSPについて考えてきました。
残業せざるを得なかったりコミュニケーションの機会が多かったり、常にマルチタスクの状態だったり、疲れやすいHSPさんにとってはたしかに大変な仕事と言えます。
とはいえ共感力や感受性、危機回避能力など、繊細な気質をもっているからこそ、保育士として充実した毎日を送っていけるのです。
今ブラックな職場で働いているのなら、一度ホワイト保育園へ転職してみると「保育士という仕事じゃなくて職場環境が合わなかったんだ」と気付けるかもしれませんね。
ぜひ今回あんさんが教えてくれた「ブラック保育園の見極め方」を参考に、ホワイト保育園を探してみてくださいね!
当ブログでは「自分に合った仕事を見つける」をコンセプトに転職ノウハウを発信しているので、ぜひ参考にしていただき、ぴったりの仕事を探していきましょう!
あなたの体験談もコメントしていただき、一緒にお仕事図鑑を作っていきましょう!