こんにちは!ばちといいます。
「対応バイアス」についてわかりやすく学びたい!
だれも自分のことを理解してくれない…
親しい人のことをしっかり理解したい!
この記事は、こういった方へ向けて書いています。
- 対応バイアスとは、行動だけで判断する心理のこと
- 【鬼滅の刃より】対応バイアスの3つの具体例
- 対応バイアスは誤解を生み出す【対処法も解説】
心理学とマンガが好きな僕が「鬼滅の刃」を例に、心理学について解説するシリーズ第3弾!
今回は、「対応バイアス」について、3つの例をまじえてわかりやすく解説します。
※この先ネタバレを含みますので、ご注意ください。
対応バイアスとは、行動だけで判断する心理のこと
脳は省エネなので、負担をかけすぎないよう効率化のテクニックを身につけました。
対応バイアスは、その1つ。
対応バイアスとは、ある人の性格や能力を行動だけで判断してしまう心理・性質のこと。
例えば
- 仕事でミスをする → こいつは仕事ができないんだ
- しゃべりがつまる → 会話が苦手な人なんだ
- イライラしている → 怒りっぽい人なんだ
というように、その行動には、その人の性格や能力が反映されているに違いない、と判断してしまいます。
ちなみに、学問的に難しくいうと「根本的な帰属の誤り」ともいいます。
対応バイアスの原因は、脳の構造にある
先ほどのとおり、脳は省エネを好みます。
そのため、判断する材料が足りなくても、「もうこれで良いや!」と早々に結論をだしてしまうのです。
ですが実際のところ、人の行動は変わらないものではなく、状況や環境に大きく左右されます。
いつもは優しい人でも、忙しければ、カッカすることもあるでしょう。
そこで、「この人は優しい人なのかもしれない…」と考えるには、強い注意とモチベーションが必要になります。
【鬼滅の刃より】対応バイアスの3つの具体例
より理解を深めるため、鬼滅の刃のシーンを例に、解説します。
鱗滝左近次(うろこだきさこんじ)の判断
炭治郎が、1体目の鬼にとどめを刺そうとしているシーンで、鱗滝はこう思っています。
ああ この子は駄目だ
思いやりが強すぎて決断できない鬼を前にしても優しさの匂いが消えない
鬼にすら同情心を持っている義勇 この子には無理だ
「鬼滅の刃」1巻3話より引用
鬼に対して優しさを見せるさまから、鬼殺隊に向いていないと判断していますね。
ですが、この時まだ鱗滝は、「禰豆子を人間に戻したい‼︎」という炭治郎の強い志を知りません。
内面の想いを考慮しない
内面の強い想いがある
↓
「鬼に対して優しさを見せる」という行動
↓
鬼殺隊には向いていないと判断
鱗滝の視点からは、炭治郎の行動しか見えません。
とはいえ、あまりにも「判断が早い‼︎」といわざるをえません…笑
もちろん鱗滝さんはこのあと、炭治郎に修行をつけてくれています。立派な育手です。
そんな彼にすら、対応バイアスは存在するのです。
一般人の僕たちは、より思い込みにとらわれていると考えていいでしょう。
和巳(かずみ)さんの怒り
和巳さんの婚約者である里子さんは、沼の鬼に食べられてしまいました。
彼を想って、炭治郎が声をかけたワンシーンです。
炭治郎「和巳さん大丈夫ですか?」
和巳「…婚約者を失って大丈夫だと思うか」
炭治郎「…和巳さん失っても失っても生きていくしかないです
どんなに打ちのめされようと」和巳「お前に何がわかるんだ!!お前みたいな子供に‼︎」
「鬼滅の刃」2巻13話より引用
ですが、和巳さんは声を荒げています。
なぜなら、和巳さんは、炭治郎の家族が鬼に殺されていることを知らなかったからです。
過去の経験を考慮しない
(家族を鬼に惨殺される)
↓
「(和巳に共感し、)声をかける」という行動
↓
若い子どもはそんな経験をしていないだろう、という思い込み
↓
怒り
和巳さん視点では、()の部分がみえませんね。
だとすれば、和巳さんが怒ってしまう気持ちもわかります。
ですが、炭治郎の悲しそうな笑顔をみた和巳さんは、炭治郎もつらい経験をしたのだと理解します。
炭治郎「この中に里子さんの持ち物があるといいのですが…」
和巳 …!!(君も同じだったのか?そうなのか?)
鬼滅の刃2巻13話より引用
「すまない‼︎酷いことを言った‼︎どうか許してくれ すまなかった…っ」
最愛の女性を亡くした直後、相手に気遣いができる和巳さんはすばらしい方ですね。
我妻善逸(あがつまぜんいつ)の勘違い
最後に、善逸のほぼ初登場シーンです。
善逸「その子は俺と結婚するんだ 俺のこと好きなんだから」
(中略)
女性「いつ私があなたを好きだと言いましたか‼︎
具合が悪そうに道ばたで蹲っていたから声をかけただけでしょう‼︎」善逸「俺のこと好きだから心配して声かけてくれたんじゃないの⁉︎」
鬼滅の刃3巻20話より引用
女性が心配してくれた、という行動から、この子は自分を好きなんだと勘違いします。
ですが善逸は、この女性に婚約者がいるということを知りません。
状況を考慮しない
婚約者がいる
↓
「心配する」という行動
↓
自分のことが好きなんだと判断
こう見ると、盛大に勘違いしていますね。笑
これは極端な例ですが、「あの子俺に気があるのかも?」という思い込みに似ています。
対応バイアスは誤解を生み出す【対処法も解説】
このようなバイアスは、脳にメリットをもたらします。
ですが、それが常にメリットをもたらすとはかぎりません。
こと人間関係においては、思い込みによる判断が誤解をまねく原因になります。
対応バイアスに惑わされず、相手を判断する方法
対応バイアスに対処するには、
相手の行動に違和感を覚えたら「この人はなぜこの行動をしたのか?」
と考えてみましょう。
和巳さんを例に考えてみよう
自分の気もしらず、子供が優しい言葉をかけたことに腹が立った
→どうして彼は優しくしてくれるのだろう?
その結果、
- シンプルに優しいだけ?
- 鬼殺隊だから?
- もしかしたら自分と同じ経験をしたのか?
というように、相手の内面や、状況を考えてみましょう。
一度立ち止まり、一拍置くことで心の余裕が生まれ、たくさんの選択肢に目が向きます。
ぜひ、クセづけてみてください。
対応バイアスに対処して、人間関係のトラブルを防ごう
和巳さんの例は、人間関係を崩壊させるパターンです。
相手を心配しているのに、罵声を浴びせられたら「もう声をかけるのはやめよう」と思われてしまうかもしれません。
人間関係が悪化してしまうことは、間違いないでしょう。
脳の構造上、これに対応するのは難しいですが、「対応バイアスという性質がある」と知っているだけで対処しやすくなります。
少しずつ、自分の脳と向き合っていきましょう!
他にもこういったバイアスはあるわけですが、心理学に関する専門書を読み、人間関係の対策を知っておくことが重要です。
今回参考にした本のリンクを、下記に貼っておきます。
人間関係に生じやすい誤解をサクッと学べるので、損はありませんよ。
以上、ばちでした。