こんにちは、ばちといいます。
フットインザドアってなに?
フットインザドアの具体例は?
ドアインザフェイスとなにが違うの?
この記事は、こういった方向けの記事です。
- フットインザドアとは?
- フットインザドアの具体例【日常&具体例】
- ドアインザフェイスとの違い
今回のテーマは「フットインザドア」。
フットインザドアは、営業や交渉など、主にビジネスシーンで使われるテクニック。
ですが、家庭や恋愛などの日常でも使えます。
カンタンに使えるにもかかわらず、効果はバツグン。
今回は、心理学が大好きな僕が「フットインザドア」について分かりやすく解説します。
フットインザドアテクニックとは
フットインザドアとは、段階的要請法とも呼ばれるテクニックで小さな要求を受け入れてもらったあとに、徐々に要求を引き上げるというもの。
営業マンの「お話だけでも」は完全にフットインザドア。
「話を聞くだけなら」と受け入れると、その後に必ずセールスされますよね。
「話を聞いてもらう→ものを売る」これはフットインザドアの典型的な例です。
フットインザドアの由来
フットインザドアの由来は、英語の「foot in the door」。
直訳すると「ドアの中の足」。
営業マンがドアを閉められないように片足を入れておき、そこからセールスを始めるという一連の流れが由来とされています。
【フットインザドアの効果】承諾率が4倍アップ
このフットインザドアテクニックの効果は、心理学の研究によって証明されています。
その中でも、社会心理学者のジョナサン・フリードマンとスコット・フレイザーが1966年に発表した論文(#1)で初めて立証されました。
この実験では、カリフォルニアの住人に
家の前に「安全運転をしよう」と書かれた看板を置かせてほしい
と頼みました。
しかし、承諾してくれた人はわずか17%。
いきなり「家の前に看板を立ててくれ」といわれても当然断りますよね。
しかし、あるグループではなんと76%もの人が看板を置いてくれたそうです。
実は、そのグループでは2週間前にある「仕掛け」がされていました。
それは、安全運転をうながす小さなシールを貼ってもらうこと。
そう、フットインザドアが使われたのです。
たったこれだけの頼みですが、効果は絶大。
単純計算で、承諾率は4倍ほど跳ね上がりました。
【理由】一貫性の原理がはたらく
フットインザドアが、これほど効果があるのはなぜでしょうか?
それは「一貫性の原理」という心理効果が理由。
人間は「自分の行動や信念などを一貫させたものにしたい」という欲を持っています。
さきほどの実験では、お願いを承諾することで「ボランティアに協力的な自分」というイメージが作り上げられたのです。
このイメージを一貫させたいと思う結果、続く大きな要求にも承諾してしまうというわけですね。
フットインザドアの3つの条件
フットインザドアが有効にはたらく条件は、最初のお願いに下記の3つの要素があること。
- 行動
- 公表
- 自分の意思
つまりお願いを承諾すると、自分で選択した意思表示や行動が公にされるということです。
実験では、みごとに条件を満たしています。
- 行動→シールを貼る
- 公表→シールを張ったことは外からもわかる
- 自分の意志→矯正されたわけではなく、自分で貼ると決めた
この3つを満たすことで、フットインザドアは破壊的な効果を発揮するわけです。
フットインザドアの具体例【日常&恋愛】
フットインザドアテクニックは、主にビジネスシーンで使われますが、日常にも活用できます。
ここからは、フットインザドアの具体的な活用例を見ていきましょう。
家事を手伝って欲しいとき
この茶碗シンクに持っていってくれる?
これくらいなら、きっと承諾してくれるはず。
茶碗を持っていってもらったら
あ、ついでに洗っておいてくれない?
きっと恋人やお子さんも手伝ってくれるでしょう。
仕事を同僚に振りたいとき
〇〇さん、今ちょっと時間ありますか?
手が空いていれば、相手は必ず「はい」と返します。
これなんですが、お願いできますか?
時間があると答えてしまった以上、なかなか断りづらいんですよね。
気になる異性をデートに誘いたいとき
〇〇さんってイタリアン好きなんでしたっけ?
なにげない会話感を出すことがポイント。
「YES」を引き出せたら
すごく美味しいイタリアンのお店知ってるから、今度一緒にどう?
きっと相手は目を輝かせるでしょう。
人にお願いごとをしたいとき
今後のお休み、どこか出かけようよ!
予定がないかぎり、おそらく「いいよ」と言ってくれるはず。
この映画すごく面白いらしいんだけど、どうかな?
当日、あなたはずっと見たかった映画を恋人と一緒に見ることができているはずです。
共通するのは「ささいな要求から始めていること」。
小さなことでも、相手に行動をうながしたり、立場を公表させることができれば、あなたの本来の要求はとおりやすくなるでしょう。
ドアインザフェイスとフットインザドアの違い
フットインザドアの似ているのが、ドアインザフェイスというテクニック。
ドアインザフェイスは、カンタンに言うとフットインザドアの逆バージョン。
大きな要求を断られたあとに、小さな要求を通す、というものです。
このように真逆の特徴を持つわけですが「この2つを使い分けるにはどうすれば良いのか」という疑問が浮かぶはず。
そのポイントはずばり「本当に通したい要求はなにか」です。
本来の要求に応じた使い分けを
恋愛を例にとって考えると、以下のように使い分けできます。
- 連絡先を聞くことが目的→ドアインザフェイス
- デートに行くことが目的→フットインザドア
つまり、本当に通したい要求が小さいものならドアインザフェイス、大きい要求ならフットインザドアを使うということ。
どちらも2回目のお願いをとおりやすくするものですから、この使い分けが最適です。
ぜひ参考にしてみてください。
というわけで以上です。
フットインザドアを上手に使い、生きやすい人生を送っていきましょう。
それでは。