こんにちは、ばちといいます。
自分の価値観が分からない…
でも自分のことをもっと理解したい!
どうすれば価値観を見つけられるのかな?
今回はこんな、価値観の見つけ方が分からない方へ向けた記事です。
僕もこの記事で紹介する方法を実践し、自分の価値観を知ることでWebライターへ転職し、自分らしく働けるようになりました。
この記事では僕の個人的に編み出したメソッドではなく、心理学やカウンセリングの世界で使われている方法をレベル別に3つ紹介します。
さらに思い立ったらすぐに取り組めるよう、無料のスプレッドシートも配布。
とくに転職しようか迷っている方は、自分の価値観を知ることは必須です。
まずはレベル1から取り組んで、あなたらしい人生の第一歩を踏み出しましょう!
価値観とは、人生の羅針盤のこと
まずは「価値観」の定義を確認しておきましょう。
辞書で引いてみると、下記のように出てきます。
物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断
goo辞書より引用
またACTという心理療法の世界では、価値観を「選択された人生の方向」と表しています。
つまり価値観とは、あなたがどんなことを重要だと感じているかを示す、人生の羅針盤のようなもの。
道に迷ってしまったときも、羅針盤さえ持っていればまた戻ってこれますよね。
優柔不断な僕も、自分の価値観を知ってから迷いが減りました!
自分の価値観を見つけるのは難しい
とはいえ、自分の価値観を見つけるのは困難を伴います。
なぜなら人は、自分のことは自分がよくわかっている、と思い込むから。
組織心理学者のターシャ・ユーリック博士が行った調査によると、95%の人は「自分について理解している」と回答しましたが、実際には10〜15%の自分しか理解していなかったのだとか。
つまりそもそも自分のことはよく知っているのだから、わざわざ貴重な時間を割いてまで知ろうと思わないのが人間なのです。
価値観を理解すると、仕事選びがしやすくなる
価値観を理解しておくと、仕事選びもしやすくなります。
価値観はまさに人生の羅針盤ですから、人生の方向性を大きく左右する仕事選びにおいても当然役に立ちます。
たとえば僕のように内向的な性格にもかかわらず、電話対応や大勢とのコミュニケーションが必要な仕事につくと、しんどい思いをするはずです。
僕も医療事務の仕事をして、1年間休職するまで疲労していました…。
しかし自分の価値観を理解していれば、そういった仕事は自ずと避けるようになります。逆に一人で黙々と作業できる仕事や、1対1の深いコミュニケーションが必要になる仕事を選ぶようになるわけです。
仕事は人生の3分の1を占めていますから、より自分らしい人生を送るためにも、あなたの価値観を理解しておきましょう。
転職するなら、自分の価値観を知っておくべき理由
価値観を把握していると、転職の失敗防止にも役立ちます。
ハーバード・ビジネス・スクールのボリス・グロイスバーグ氏によると、転職を失敗する人の多くはtoの転職ではなくfromの転職をしてしまうとのこと。
- fromの転職…今の職場から離れることが目的の転職
- toの転職…「その会社で働きたい」という動機の転職
つまり転職する際に重視すべきなのは、今の会社から離れることではなく、転職先で何を実現したいか。
そこで重要になるのは、自分の価値観を把握していることです。
たとえば安定に価値を感じているなら、年収よりもワークライフバランスや残業の少なさが大事になると。
その一方で、何より成長を求めているのなら、スキルアップのためにベンチャー企業に入るのがいい選択になるかもしれません。
なぜその会社に転職したいのか、会社に転職してどんな人生を送りたいのか、何を成し遂げたいのか。価値観を把握したうえでの転職は、これらを明確に回答できるため、toの転職になりやすいのですね。
ではここからは、価値観を見つける方法をレベルごとに分けて紹介していきます。
自分の価値観の見つけ方レベル1:主な10要素をチェック
まずは前述のACTの世界で使われているテクニックから。
一般的に人生において重要とされる、下記の10項目について考えていきます。
- 結婚・恋愛
- 子育て
- 家族との関係
- 友人との関係
- キャリアや仕事
- 自己成長
- 休暇やレジャー
- スピリチュアリティ
- 社会への貢献
- 健康
それぞれの項目について、あなたはどうありたいか、どのように関わっていきたいか考えてみてください。
たとえば「キャリアや仕事」の項目なら「自由や成長を重視したい。理想は多くの人の役に立つこと」のように、簡単に1〜2行でまとめてみてください。
「そう言われても、何書けば良いのか分からないよ」という方のために、ワークシートでは具体的な質問も掲載しています。
ぜひコピペして使ってみてください。
重要度と一致度を10点満点で採点する
そしてそれぞれの項目があなたにとってどれだけ重要かを表す「重要度」と、現在の生活とどれだけ一致しているかを表す「一致度」を10点満点で点数をつけてみます。
たとえばあなたにとって休日が重要なら、休暇やレジャーの重要度は8、一方で子育てについてはまだ想像できないなら、子育ての重要度は4、のように数値を入れてみます。
あるいは自由や成長が重要なはずなのに、上司の指示にただ従っているだけなら、キャリア・仕事の一致度は2となるでしょう。
重要度が高く、一致度が低いものから取り組む
すべて10点満点で採点し終わったら、行動に移します。まず取り組むべき項目は「重要度が高く、一致度が低いもの」。
これは言いかえると、自分にとって重要であるはずなのに、価値観に合う行動ができていないということ。
たとえばキャリア・仕事の一致度が低いのなら、異動願いや副業、転職することで一致度は高まるかもしれません。
あるいは結婚・恋愛なら、マッチングアプリに登録したり街コンに参加したり、趣味のコミュニティに所属したりすることで、良いパートナーを見つけるきっかけとなるでしょう。
重要なのは、あなたが価値を感じる項目を見定めること。
ぜひ下記のワークシートを使って、あなたの価値観を見つけてみてください。
>> スプレッドシートを見る(編集はできないので、コピペして使ってください)
自分の価値観の見つけ方レベル2:価値観リストを作る
続いては、先述のターシャ・ユーリック博士とニューメキシコ大学ウィリアム・リチャード・ミラー教授のフレームを活かして、価値観リストを作る方法を紹介します。
レベル1でも十分に価値観リストは作れるものの、10項目かつ全員に共通しているのでオリジナリティに欠けますよね。
そこで続いては、ミラー教授による83の価値観リストを利用していきます。
リストを眺めて、重要な価値TOP10を作る
中には似かよった概念も複数あるものの、細かいことは気にせず「これは重要だな」と感じた価値観を1位から10位まで並べてみてください。
「いきなり83個をランク付けするなんてむり!」という方は、下記のステップでやってみましょう。
- 一つひとつ「とても重要」「重要」「重要でない」の3つに分類(シート内C列のプルダウンを利用)
- 「とても重要」の中からより重要な価値観を10個ピックアップ
- 重要なものから順にランク付け
一例として、僕の価値観TOP10も紹介しておきます。
- 快適
- 余暇
- 寵愛
- 知識
- 心の平穏
- 偽りのなさ
- 目的
- 自己認識
- 奉仕
- 健康
一言でまとめると、自分のことを一番わかっていて、主体的に生きること。
この羅針盤があるおかげで、働き方や余暇の過ごし方、プライベートの予定など、人生のあらゆる選択に迷うことも減っていきました。
あなたにとってそれはどんな意味を持ち、なぜ重要?
10個リストアップするだけでも、あなたが大切にしている価値観とその傾向がわかったはずです。さらに自己理解を深めるための仕上げのステップを紹介しますね。
その方法は、リストアップした10個の価値観について、それぞれ「自分にとってどんな意味があり、なぜ重要なのか?」を考えてみること。
たとえば礼儀正しさという価値一つとっても、ある人にとっては「目上の人に失礼のないように振る舞うこと」という意味になるでしょうし、またある人にとっては「店員さんにきちんと感謝を伝えること」かもしれません。
感じ方は人それぞれですので、よりあなたの価値観を言語化するため、ぜひ考えてみてください。
こちらも例として、僕の回答を載せておきますね!
- 快適…プレッシャーのない、不安のない、面倒のない暮らし
- 余暇…疲れを癒やすための必須のひととき。知識の獲得にもなる
- 寵愛… 家族や恋人、友達と楽しく過ごすこと。ただ一緒にいるよりもみんながハッピーになる
- 知識… 自分の人生を作り上げてくれるもの
- 心の平穏… QOLを高めるもの。豆腐メンタルを守るもの
- 偽りのなさ… 自分の人生を生きること。主体的に生きること
- 目的… 有意義に生きること。納得できないことはやりたくないから
- 自己認識… 自分のことを自分が1番わかっていること
- 奉仕… 自分の知識で誰かの役に立つこと。直接顔が見えるとなお良い
- 健康… 鏡を見るのが楽しくなるようなイケてるボディ
ぜひ下記のシートを使いながら、あなたの価値観について深く考えてみてくださいね。
>> スプレッドシートを見る(編集はできないので、コピペして使ってください)
自分の価値観の見つけ方レベル3:PPAレーティングマトリクス
ここまで取り組んだあなたは、かなり自己理解が進んだことと思います。最後に「ばちさん!まだ物足りないよ!もっと自分のことを知りたい」という変態向けに(褒め言葉です)PPAレーティングマトリクスを紹介します。
これは、ケンブリッジ大学のブライアンリトル教授が作成した方法です。
科学的な根拠のある方法なので取り組む価値は十分にあるものの、いかんせん骨のいる作業ですので、気合を入れていきましょう。具体的には、下記のステップで行います。
- ステップ1:今取り組んでいることをリストアップする
- ステップ2:重要度、簡単さなどの点数をつける
- ステップ3:それを達成したい理由や目的を掘り下げる
これだけではわかりにくいかと思いますので、一つひとつ具体例をまじえながら見ていきましょう!
ステップ1:今取り組んでいることをリストアップする
まずは今取り組んでいるプロジェクトや達成したい目標を書き出してみましょう。
たとえば「仕事終わりにゆっくりアニメを観る」「月3冊本を読む」といった簡単なタスクや「副業で月5万円稼ぐ」「簿記2級の資格を取る」などの中長期的な目標、「メンタルを強くする」「転職する」などのざっくりとした目標など、どんなものでもOKです。
ブライアンリトル教授によると、僕らは平均して10〜15個程度のプロジェクトに取り組んでいるんだとか。小さなものでもざっくりしたものでもいいので、思いつくままに書き出してみてください。
ステップ2:重要度、簡単さなどの点数をつける
書き出したプロジェクトの中から、特に重要だと思うものを10個ピックアップしてください。
次に、それぞれのプロジェクトごとに、下記の項目を10点満点で採点していきます。
- 重要性→その目標はどれだけ重要か
- 簡単さ→その目標に挑戦するのは簡単か
- 透明性→友人や家族がその目標の内容や進捗状況を理解できるか
- 管理性→その目標をどれだけ自分でコントロールできるか
- 責任→その目標に社会的な責任はあるか
- 時間の有無→その目標に取り組むだけの時間はあるか
- 成功率→その目標を達成する見込みがどれだけあるか
- 自己同一性→その目標が自分の性格に一致するか
- 進捗状況→現時点でどれだけ達成できているか
- やりがい→やりがいを感じられるか
- 没頭感→その目標に夢中になれるか
- サポートレベル→その目標を達成するため周りからのサポートを受けられるか
- 自律感→その目標に自分の意思で取り組んでいるか
たとえば筋トレについて考えてみると「今年こそは素敵な恋人に出会いたい」と思っているなら自律感は高くなります。
一方で「筋トレはいいって聞いたから、ただなんとなくやっている」といった場合、自律感は低くなるでしょう。
このようにあなたの状況にあわせて、一つひとつ考えてみてください。
すべて採点したら点数を合計し、高いものから順に3〜5個ピックアップしてみましょう!
ステップ3:それを達成したい理由や目的を掘り下げる
最後に重要なプロジェクトを達成したい理由や目的を掘り下げていきます。参考までに、僕が2019年に取り組んでいた「年間読書量75冊」という目標を掘り下げた際の例を紹介しますね。
画像のように「それはなぜ?」と自問自答を繰り返すことで「年間読書量75冊」という目標から「快適な人生」や「幸せになりたい」という価値観が浮かび上がりました。
一つの目標に対して枝分かれしてもOKですので、5〜6段階掘り下げることを目安にして掘り下げてみてください。
行き詰まったときは、ステップ2の採点結果を参考にしてみましょう。
自己同一性が高いのなら「自分らしく生きたい」という価値があるでしょうし、没頭感が高いのなら「時間を忘れて人生を過ごしたい」という欲望があるはずです。
ここまで行うのは簡単なことではありませんが、自分を深く知る絶好のチャンスです。
自分らしく働きたい、やりがいを感じる仕事を見つけたいと思っている方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
>> スプレッドシートを見る(編集はできないので、コピペして使ってください)
自分の価値観を見つけ、人生の迷いに立ち向かおう
この記事では、自分の価値観を見つける3つの方法を、難易度順に紹介してきました。
就職や転職、結婚など、人生に迷いが生まれるのは、判断の軸がハッキリしていないから。軸があればまるで羅針盤のように、ワンピースでいうログポースのように、進むべき方角を示してくれます。
「転職したいけど、自分がどうしたいのかわからない」という方はとくに、なんとか時間をとって取り組むべき作業です。
まずはレベル1の簡単なものからでいいので、ぜひやってみてくださいね。
他にも自己分析ツールを使って、より自分の価値観を掘り下げたい方は、下記の記事で紹介しているサービスを使ってみてくださいね!